ねじまき鳥クロニクル

ねじまき鳥クロニクル     村上春樹 著

またまた、読んでしまいました。村上春樹氏の小説……。

と言いながら、もっと読んでいくつもりですが……。

この物語もまた、多くの謎や何とも言えないというか

表現できないようなものが、たくさんたくさん出てきます。

でも、その世界にズンズン引きこまれて行ってしまいました。

これまで読んだ村上作品の中で、一番ドラマチックな終わり方をしたように感じました。

相変わらず、飛び立っていく鳥が枝を揺らすように

心の中を少しだけ揺さぶりながら終わりますが……。

また、この作品は他の作品に比べると、(長いせいもあるかもしれませんが)数多くの登場人物が出てきます。

それも、揃いもそろって変わった名前でやはり魅力的な登場人物です。

笠原メイ、加納マルタと加納クレタ、本田さんと間宮中尉、赤坂ナツメグと赤坂シナモン、牛河……。

そして、主人公の岡田享と妻のクミコ、そしてクミコの兄の綿谷ノボル……。

本当にその場にいるかのようにイメージすることができますし

反対にそんな人がいるわけないというくらいに個性的な人ばかりです。

とにかく、この物語もあっちゃこっちゃ飛びますし

時間も場所も脈略なく飛んでいるようで、きちんと物語として体裁をなしているという不思議な話でした。

最後まで読んで、どんなことを感じるかは本当に人によって違うと思います。

自分は体の中にポッカリあいた穴が、少しだけ癒されていくような

かすかな温かさを感じる事ができたように思いました。

f:id:pioneern:20041029011313:image  『ねじまき鳥クロニクル 第2部

f:id:pioneern:20041029011205:image  『ねじまき鳥クロニクル 第3部

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