曼荼羅    120

曼荼羅 智慧の構造―その秘められた謎を解く           今泉 浩晃 著

曼荼羅ってなんとなく綺麗だなあと思って写真などを眺めるだけだった。

どこにあるのかも知らないし、たくさんの神様が描いてあるなあくらいの認識だった。

もちろん曼荼羅が2種類も(胎蔵曼荼羅と金剛界曼荼羅)あるなんていうことも知らなかった。

そして、この本を読んで曼荼羅には仏教の歴史を凝縮していく過程で

必然的に生まれたものなのだということを知った。

多くの神の関係性を2次元の紙の上で、いかに表現するかという知恵の結晶なのだ。

曼荼羅を生み出さざるをえなかった仏教の歴史の奥深さに触れることができると同時に

簡単で単純であったはずの教えが、抽象化されて様々な解釈を生み

それが、争いを生み出してしまう構図につながっているのかと思うと、何か複雑な気持ちになった。

しかし、この本の本質は曼荼羅を思考ツールとして使うというところだ。

たまたま考えついた思考方法をよく見ると曼荼羅と同じ形だったのだそうだ。

だからこそ、曼荼羅に染み込んだ知恵の構造を知ろうとして研究をしたらしい。

このマンダラートという思考ツールはマインドマップと合わせて使えば、思考の幅がグンと広がるかもしれない。

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