非エンジニアでもできたWebサイトのSEO改修|WordPress最適化の実践レポート…(4/5)

第4回|毎日少しずつ「見える」ようになっていく

AIOSEOからYoastに入れ替えて、IndexNowを有効にして、robots.txtで「うちへどうぞ」と表明して、FAQも作り直した。ここからは、結果が本当に見えるのかを確かめる段階だ。私は画面に向かいながら、自分に言い聞かせる。方法は揃った。次は「見える化」を、日々の運用に落とし込むだけだ。

GA4を開いた。最初の目標は単純で、AIから来た痕跡を受け止める受け皿をひとつ作ること。いつもどおり日本語UIで操作していると、思わぬところでつまずく。英語の解説を読みながら操作する癖が抜けず、頭の中では「Page referrer」を探しているのに、画面のどこにも見当たらないのだ。

(会話)
私「Page referrerが見つからない。どこにあるの」
AI「日本語UIだと『ページの参照元 URL』です」

なるほど。言葉が変われば、探す目も変わる。次は表示形式でひと悶着。「表」にしたいのに、その選択肢がない。ここでも言葉の壁にぶつかる。

(会話)
私「テーブルが選べない。どれを押せば表になるの」
AI「『書式なしテキスト』が表のことです」

ややこしい訳だな、と苦笑しつつ、ようやく骨組みができた。PerplexityやCopilot、ChatGPT、Gemini、Claudeなど、AI由来の参照元をひとまとめにしてフィルタを作る。今日の時点では、数字はほとんどゼロだ。タグを入れてまだ日も浅いのだから当然だろう。それでも、私は窓枠だけはきれいに拭き上げておく。明日以降、訪問者が来たときに、その足跡がまっすぐ残るように。

問題は「AIに載ったのか」「引用されたのか」だ。GA4の役目は、あくまでクリック後の話。ここは別の役者に登場してもらう。私は少額のトラッカーを開いて、新しいプロジェクトを作る。ドメインはunicus.top、地域は日本、言語は日本語。最初に入れていた二十語の母集団を、百語にまで広げるか一瞬迷って、結局は広げることにした。最初に作ったコアの二十語に、研修や導入、料金、相談といった売上に近い語、地名や自社名の案内役の語、そして上流の疑問形を混ぜる。似たような語を欲張って詰め込むより、目的の違う語を少しずつ並べるほうが、後で読み解きやすい。ここでも結局、私が学び続けているのは「芯を作る」ことなのだと気づく。

(会話)
私「一気に数千語入れてしまえば、たくさん観測できるように見えるけれど」
AI「最初はノイズのほうが勝ちます。まずは芯を太らせましょう」

私はうなずいて、三十語だけ追加することにした。母集団の核は保ったまま、手触りの違う語を足してみる。登録が済んだら、AIOの列と、引用しているURLの列を表示に加える。画面の右側に小さなテキストが並んで、そこにまだ何も書かれていないことが、逆に気を楽にさせた。空白は、これから埋まるためにある。

ここまで来ると、週のリズムも決めやすい。私はカレンダーを開いて、毎週同じ曜日の同じ時間に、ダッシュボードを開く予定を入れた。見るのは二つだけ、AIOが出現した割合と、unicus.topが引用に含まれた割合。日々の小さな波は、この線に描かれていく。数字が動かない週もあるだろう。そんなときは、手を動かす。FAQに質問をひとつ足したり、冒頭に短い定義を置いたり、ページ同士をつなぐリンクを一本増やしたり。小さな変化を入れて、また同じ曜日に同じ時間で結果を見る。そんな往復の中で、線が少しずつ上向く瞬間が来るはずだ。

(会話)
私「結局、地味な積み上げに戻ってくるんだね」
AI「そう。けれど、その地味さが“毎日わかる”に変わると、運用は楽になります」

振り返ってみると、この作業は、どれも画面の隅で起きる小さな出来事ばかりだった。Enableを押すまでの数十秒、robots.txtに一行足すための逡巡、FAQブロックの名札を間違えたことに気づいた瞬間。派手さはない。でも、今はそれでいいと思える。結果を急ぐより、観察を始めること。観察が始まれば、改善の手は自然と見えてくる。

私は最後に、今日の自分へ短いメモを書いて終わりにした。GA4の枠は固定済み。AI参照元のフィルタは保存済み。母集団は二十語から百語へ太らせ、さらに三十語だけ足した。トラッカーではAIOと引用の列を表示し、取得は毎日。週に一度の同じ時刻に、二つの割合だけを見返す。やることは、これだけだ。

画面を閉じる前に、もう一度だけダッシュボードを眺める。ほとんどがゼロの世界に、ところどころ小さな数字が点る。線になるには時間がいる。けれど、ゼロのままではない。そのことが、なによりの収穫だった。

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