はじめに:「良いサービスを作っても、AIに無視される時代」が来た
あなたは今、何か商品やサービスを調べるとき、どうしていますか?
Googleで検索する人も多いと思いますが、最近は「ChatGPTに聞く」「Claudeに相談する」「Perplexityで調べる」という人が急増しています。
問題は、AIが答えを出すとき、すべてのサイトを平等に参照しているわけではないということです。
AIは「読みやすい構造になっているサイト」「信頼できると判断したサイト」を優先的に参照します。逆に言えば、どれだけ良いサービスを提供していても、AIが「読めない」構造になっていると、推薦候補にすら上がらない。
これはSEO(検索エンジン最適化)の次に来る課題です。
SEOがGoogleのロボットに向けた最適化だとすれば、GEO(Generative Engine Optimization:生成AI検索エンジン最適化)はChatGPTやClaudeなどのAIに向けた最適化です。
私は自社サイト(unicus.top)でこの問題に直面し、実際に対応しました。この記事は、その全過程をステップバイステップで記録したものです。専門知識がなくても理解できるよう、技術的な用語にはすべて解説を加えています。
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まず「現在地」を知る——診断してわかった衝撃の28点
最初にやったことは、自社サイトのGEO対応度を客観的に採点することでした。
採点基準は以下の5カテゴリです。
| カテゴリ | 内容 | 配点 |
| A. クローラー・技術基盤 | AIロボットがサイトに入れるか | 15点 |
| B. 構造化データ | AIが情報を「意味として」読めるか | 30点 |
| C. コンテンツ構造 | AIが引用しやすい形式になっているか | 25点 |
| D. 権威シグナル | AIが「信頼できる」と判断するか | 20点 |
| E. ブログ戦略 | 継続的にAIに読まれるコンテンツがあるか | 10点 |
結果は28点 / 100点。
正直、愕然としました。コンテンツは500記事以上あり、Yoast SEOも導入済み。決してお粗末なサイトではないと思っていました。
しかし、AIの視点から見ると「扉は開いているのに、棚に商品ラベルが一枚も貼られていない店」と同じ状態だったのです。
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何が足りなかったのか——3つの致命的な欠落
欠落①:llms.txt がなかった
llms.txt とは何か?
「robots.txt」という言葉を聞いたことがある方もいるかもしれません。これは「どのロボット(クローラー)にサイトのどの部分を見せるか」を指定するファイルです。
llms.txt はその「AI版」です。
「このサイトはこういうサービスを提供しています。AIのみなさん、ここを読んでください」という案内板をサイトの入口に置くイメージです。2024年に提唱された比較的新しい標準規格で、ChatGPT・Claude・Perplexityなどの主要AIがこのファイルを参照します。
unicus.topには、このファイルが存在していませんでした。
欠落②:構造化データ(JSON-LD)がなかった
構造化データとは何か?
Webページは通常、人間が読むために書かれています。「この講座は3時間で学べます」という文章は人間には理解できますが、AIやGoogleのロボットは「3時間」という数字が「価格」なのか「学習時間」なのか「営業時間」なのか、文脈から判断しなければなりません。
構造化データ(JSON-LD) は、「この数字は学習時間です」「この金額は受講料です」「これは講座のページです」とラベルを貼って機械に伝えるための仕組みです。
料理のレシピに例えるなら、「材料:小麦粉200g」という普通の文章が構造化データのない状態。「材料名:小麦粉 / 分量:200 /単位:g」というデータベース形式が構造化データのある状態です。
unicus.topには、講座ページに一つも構造化データが入っていませんでした。
欠落③:FAQがマシンリーダブルな形式になっていない
FAQページスキーマとは何か?
AIが最も引用しやすいコンテンツ形式は「Q&A形式」です。「〇〇とは何ですか?」という質問に対して明確な答えが示されている文章は、AIが「この質問に対する答えはここにある」と判断しやすいためです。
ただし、ページにFAQが書いてあるだけでは不十分です。「このQ&Aはよくある質問(FAQ)のセクションです」とAIに明示的に伝え るFAQページスキーマという構造化データを追加する必要があります。
講座ページにFAQコンテンツはありましたが、この「AIへの明示」ができていない状態でした。
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STEP 1:llms.txt を作成してサイトルートに設置する
所要時間:10分 / 難易度:★☆☆☆☆
llms.txtの形式はシンプルです。Markdown(マークダウン)という記法で書きます。Markdownとは、「#」をつけると見出しになり、「- 」をつけると箇条書きになる、シンプルな文書記法です。
作成したllms.txtの内容は以下の通りです。
# UNICUS(ユーニクス)
> 生成AIの導入・業務自動化・AIリテラシー向上を支援する専門会社。
> 中小企業のAI活用推進、社員研修、Eラーニング講座を提供しています。
> 現場ヒアリング→PoC→運用まで伴走支援。
## Eラーニング講座
– [AIを”使う”人材になるプロンプトエンジニアリング研修]
(https://unicus.top/prompt_engineering_seminor/):
ChatGPT・Claude等の生成AIで使えるプロンプト設計スキルを習得する
実践型オンラインEラーニング講座。
(以下、全4講座・各サービスページ・会社情報を列挙)
このファイルを https://unicus.top/llms.txt としてアクセスできる場所に設置します。
WordPressでの落とし穴
WordPressでYoast SEO(人気のSEOプラグイン)を使っている場合、Yoast SEOが自動的にllms.txtを生成・上書きする機能があります。せっかく手で作成したファイルが、プラグインに書き換えられてしまう問題が発生しました。
解決策は、Yoastのデータベースから「管理しているllms.txtのハッシュ値(照合コード)」を削除することです。するとYoastは「このllms.txtは自分が作ったものではない」と判断し、上書きをやめます。この作業はWordPressのデータベースに直接アクセスして行いました。
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STEP 2:Course スキーマ(構造化データ)を4講座に実装する
所要時間:15分 / 難易度:★★★☆☆
Course スキーマとは何か?
schema.org という組織が定めた「講座ページの標準フォーマット」です。GoogleもChatGPTもClaudeも、このフォーマットで書かれた情報を「これは講座のページだ」と確実に認識します。
実装したCourseスキーマには以下の情報を含めました。
– 講座名・説明文
– 学習時間(プロンプトエンジニアリング:11時間、GAS自動化:7時間 など)
– 提供言語(日本語)
– 対象レベル(初級〜中級)
– 受講料(プロンプトエンジニアリング:200,000円 など)
– 提供者情報(UNICUS)
– 講師情報
特に重要なのが学習時間と価格の一致です。
最初の実装では学習時間を「PT3H(3時間)」と設定していましたが、実際のページには「標準学習時間:11時間」と記載されていました。この矛盾はAIが「信頼性が低い」と判断する原因になります。ページの記載と構造化データは必ず一致させる必要があります。
実装方法(WordPressの場合)
WordPressのテーマファイル functions.php に、ページのURLを判定して該当する構造化データを出力するコードを追加します。これにより、各講座ページのHTMLに自動的にCourseスキーマが埋め込まれます。
functions.php はWordPress管理画面の「外観」→「テーマファイルエディター」から編集できます。ただし、コードに誤りがあるとサイトが表示されなくなるリスクがあります。編集前に必ずバックアップを取ってください。
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STEP 3:FAQPage スキーマを講座ページに追加する
所要時間:15分/ 難易度:★★★☆☆
FAQページスキーマは、以下の形式で構造化します。
質問:このセミナーはどんな人に向いていますか?
回答:AIを業務に取り入れたいが何から始めればいいか分からない方、
ChatGPTやClaudeを使っているが思うような結果が出ない方に最適です。ITの専門知識は不要です。
FAQを書くときの鉄則
1. 質問は実際に聞かれることを書く:「受講料は?」「何時間かかる?」「初心者でも大丈夫?」など
2. 回答の冒頭に答えを入れる:「大丈夫です。なぜなら〜」ではなく「受講できます。理由は〜」
3. 簡潔に、かつ検索者の質問に直接答える形が最適:短すぎると情報不足、長すぎると引用されにくい
AIは質問に対して「即座に答えを返せる形式」を好みます。FAQはその条件を満たす最強のフォーマットです。
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前半のまとめ:技術実装で28点→62点に
STEP 1〜3の実装後、スコアは以下のように変化しました。しかもかかった時間は1時間以内です。ほとんどはClaudeCodeが自走してやってくれたので、私はEnterキーを押しているだけでした。
| 実施内容 | スコア変化 |
| 作業開始前 | 28点 |
| llms.txt 設置 | +10点 |
| Course JSON-LD 実装 | +12点 |
| FAQPage JSON-LD 実装 | +12点 |
| FAQPage JSON-LD 実装 | +12点 |
| 合計 | 62点 |
後半では、さらに細部の精度を上げて68点にした追加作業と、残りの権威シグナルをどう積み上げるかについて解説します。
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後半に続く
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