テレワーク実施率が21.4%に減少、一方で中小企業が「出社率」で成果を測ってしまう理由

パーソル総合研究所が2026年7月に実施した調査によると、テレワーク実施率は21.4%で、前年同期比で1.1ポイント減少しました。2022年以降、緩やかな減少傾向が続いています。テレワーカーのテレワーク頻度は「1週間に1日未満」が29.8%で最多、「1週間に2〜3日程度」が26.9%、「1週間に1日程度」が19.0%でした。この2年間で頻度も微減傾向が続いており、2025年と比較した変化では「減った」が32.7%と、「増えた」の5.9%を大きく上回りました。業種別では「情報通信業」が55.7%でトップでしたが、この2年間で「教育、学習支援業」が8.6ポイント低下していました。

出典:テレワーク、また減った? 実施率21.4%、東京は35.5%で全国トップ(www.itmedia.co.jp)

これは要するに、社内で「出社しているかどうか」が成果の指標になっている、という話です

テレワークが減っている理由は、設備や制度の問題だけではありません。多くの会社で、仕事の成果を測る材料が社内に残っていないため、代わりに「出社しているかどうか」で評価せざるを得ない状況が生まれています。出社率は目に見えて分かりやすい指標ですが、本来測るべき成果とは別のものです。この構造は、AIに任せるときに初めて出てくる話ではありません。人に任せるときも、まったく同じでした。

本来の成果を測る材料が残らないまま、代理指標だけが回り続ける

ある業界では、本来の成果ではなく、その手前の代理指標で評価が組まれていました。発注側も供給側も、指標と本質的な成果が繋がっていないことに気づいていました。それでも交換できませんでした。集客の入口がその指標で組まれ、契約も予算もスケジュールも全部そこに紐づいていたためです。供給側は、指標の数字自体を伸ばす施策に走りました。対象者に金券を配って請求件数を作るような手法まで出ました。さらに、顧客離れを防ぐため契約時期が前倒しされ続け、次年度の契約を夏には決めさせる流れになりました。

テレワークでも同じことが起きています。出社率で測るのは、場所を問わない成果を測る材料が社内に残っていないからです。会議で決めたことは、議事録に残っていません。口頭で決まったことは、チャットのどこかに流れています。スプレッドシートに書かれた数字は、誰がどういう前提で入れたのかが分かりません。決定の前提が、どこにも残っていません。

そこで、目に見える指標として「出社しているかどうか」が使われます。出社していれば、少なくとも何かをしているだろう、という推測が働きます。ただし、この推測は成果そのものではありません。出社率が高くても、決定が実行に移らなければ成果は出ません。一方で、出社率が低くても、決定が記録され共有されていれば成果は出ます。問題は、後者を測る材料が社内に無いことです。

この構造は、読者個人の落ち度ではありません。決定の前提を記録する役割が、誰にも割り振られていないことが原因です。会議の主催者は議題を用意しますが、決まったことを構造化して残す役割は担っていません。議事録を書く担当者は、発言をそのまま記録しますが、前提や背景を補う権限は持っていません。結果として、決定は口頭で共有され、前提はメンバーの記憶の中にだけ残ります。

明日から、費用をかけずにできること

まず、決定を記録する形式を一つ決めてください。議事録とは別に、決定だけを抜き出して残す場所を作ります。スプレッドシートでもNotionでも構いません。形式は次の三行です。一行目に「何を決めたか」、二行目に「誰が何をするか」、三行目に「いつまでに」を書きます。この三行を、決定が出るたびに追加していきます。

次に、この三行を書く役割を一人に割り振ってください。会議の主催者である必要はありません。決定が出たときに、その場で三行を書き、画面共有で見せて確認を取れる人であれば誰でも構いません。この役割を「記録係」と呼ばず、「決定の確認係」と呼んでください。名前を変えるだけで、やることの意味が変わります。

最後に、この三行を週に一度、全員が見る場所に貼ってください。チャットでも、朝会でも構いません。貼るときに、進捗を聞かないでください。進捗を聞くと、報告の場になります。ここでは、決定が見つかる状態を作ることだけが目的です。見つかれば、次に何をするかは各自が判断できます。

三行を書き続けても、そこから先で止まります

三行を書く習慣ができても、そこから先で止まります。理由は、決定の前提が三行の外に残っているためです。「何を決めたか」の背景に、どういう状況があったのか。「誰が何をするか」の判断に、どういう優先順位があったのか。この前提が無いと、後から見た人は三行を実行できません。前提を補うには、決定が出る場面に立ち会い、発言の文脈を読み取り、構造に変える作業が要ります。この作業は、一般論では設計できません。

UNICUSは、この前提を可視化して構造に変えるところを手伝います。やり方は、ツールを作って納品することではありません。現場の中から、自分で三行を書き続ける人が一人出る状態を作り、そこから広がっていくのを支えます。全員の底上げは狙いません。一社ごとの状況、メンバー構成、職種に合わせて、最初に手をつける一箇所を一緒に決めるところから始めます。

最初に手をつける一箇所を、30分で決めます

UNICUSでは、この記事のテーマについて、最初に手をつける一箇所を一緒に決める30分の対話を用意しています。その場で提案や見積もりは出しません。売り込みの場ではなく、読者の会社で今どこに決定の前提が散らばっているかを整理し、三行を書く役割を誰にどう割り振るかを決めるところまでを扱います。30分で、次に何をするかが見える状態を作ります。

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