人生の旋律

人生の旋律 死の直前、老賢人は何を教えたのか?     神田 昌典 著

戦前から戦後の混乱期を逞しく生き抜いた

近藤藤太という実在の人物の人生を描いた物語です。

この方の人生は、本当にドラマのように激しくアップダウンを

繰り返し、本人を翻弄しながら進んでいきます。

子供の頃に皇室並みの生活をしていたかと思いきや

父親の投資の失敗で一気に家のない生活に…

戦後、貿易会社を興し唸るほどのお金を稼ぎ

リトルヒットラー、大名と呼ばれるまでに登りつめます。

しかし、結局会社は倒産してしまい、手元に残ったお金が6千円…

そこからフルコミッションの百科事典の訪問販売や

英会話講師としてテレビに出演して

9年間かかって借金を返済します。

波乱万丈の人生で、本当に読んでいるだけでハラハラします。

こうした人生を通して、今後訪れるかもしれない

混乱期を生き抜く知恵を得ようというのが著者の意図です。

著者は歴史を70年周期で見たときに

1935年から1945年に日本が経験した戦争と戦後の社会的価値の大逆転が

2005年から2015年に起こるかもしれないと言っています。

その時に、参考になるのが、1935年から1945年を

体験した世代の知恵だと言っています。

なるほど、それも一理あるかもしれません。

しかし、それを差し置いて、トウタの人生を本を通して

感じるだけでも価値のある本だと思います。

今、この日本で安全に幸せに生活できることに感謝し

この本を読むことができることに感謝し

この本を出してくれた著者に感謝したいと思います。

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