Chrome、タブ分割表示など実用3機能を追加―AI不使用の生産性向上ツール

Googleが2026年2月24日、Chromeブラウザに3つの新機能を追加。タブ分割表示、PDF自動バックアップ、ブラウザ内PDF編集が可能に。AI機能を使わない実用的な生産性向上ツールとして注目。

Chrome、タブ分割表示など実用3機能を追加―AI不使用の生産性向上ツール

Googleは2026年2月24日、Chromeブラウザに3つの新機能を追加したと発表しました。今回追加されたのは、タブ分割表示機能、PDF自動バックアップ機能、ブラウザ内PDF編集機能の3つです。これらの機能は、近年のChromeアップデートとしては珍しく、AI技術を使用していません。最近のChromeは、Geminiを使った「Auto Browse」など、AI機能の追加が続いていました。しかし今回は、日常的な作業を効率化する実用的な機能に焦点を当てています。これらの機能は、複数のタブを同時に見たい人、PDFファイルの管理に困っている人、書類への簡単な記入が必要な人にとって、すぐに役立つツールとなるでしょう。最新版のChromeをお使いであれば、すでにこれらの機能を利用できます。

タブ分割表示機能の詳細

新しい「分割表示」機能は、1つのブラウザウィンドウ内で2つのタブを同時に表示できる機能です。画面は縦に2分割され、左右のサイズは自由に調整できます。これまでは、複数のタブを切り替えながら作業する必要がありました。しかし、この機能により、必要な情報をすべて1つの画面で確認できるようになります。

使い方は2通りあります。1つ目は、タブをブラウザウィンドウの左端または右端にドラッグする方法です。2つ目は、リンクを右クリックして「分割表示でリンクを開く」を選択する方法です。Windowsにも似た機能がありますが、それは2つの別々のウィンドウを使います。Chromeの分割表示は、1つのウィンドウ内で完結する点が異なります。

Googleは具体的な使用例として、動画を見ながらメモを取る、スプレッドシートにデータを入力しながら書類を採点する、コードを書きながら資料を参照する、といった場面を挙げています。複数の作業を同時進行する人にとって、作業効率が大きく向上するでしょう。

PDF自動バックアップ機能の仕組み

PDF自動バックアップ機能は、ダウンロードしたPDFファイルを自動的にGoogle Driveに保存する機能です。Google Driveとは、Googleが提供するオンラインストレージサービスのことです。クラウド上にファイルを保存できるため、どのデバイスからでもアクセスできます。

この機能を使うと、ダウンロードしたPDFは「Saved from Chrome」という専用フォルダに自動保存されます。以前ダウンロードしたファイルを探すのに苦労した経験がある人には、特に便利な機能です。ファイルは自動的にバックアップされるため、パソコンが故障してもデータは安全です。

また、デスクトップでダウンロードしたファイルを、スマートフォンからすぐに確認できるようになります。例えば、会社のパソコンで契約書をダウンロードし、移動中にスマートフォンで内容を確認する、といった使い方が可能です。ファイル管理の手間が減り、必要な書類にいつでもアクセスできる環境が整います。

ブラウザ内PDF編集機能の特徴

ブラウザ内PDF編集機能は、PDFファイルをダウンロードせずに、ブラウザ上で直接編集できる機能です。これまでのChrome PDF Viewerは、PDFを表示することはできました。しかし、何か書き込みをする場合は、必ずファイルをダウンロードする必要がありました。

新機能では、デジタル署名の追加、フォームへの入力、メモの書き込みが、ブラウザ上で直接できるようになります。ただし、既存のテキストを変更することはできません。あくまで、新しい情報を追加する機能です。

Googleが挙げる使用例には、契約書への電子署名、業務報告書のレビュー、授業のシラバスへのメモ書き、重要ファイルへの個人的な注釈追加などがあります。ちょっとした記入のために、わざわざファイルをダウンロードして、専用ソフトを開く手間が省けます。特に、複数の書類に次々と署名する必要がある場合、作業時間が大幅に短縮されるでしょう。

背景と経緯

Chromeは定期的に新機能を追加していますが、最近はAI機能の追加が中心でした。例えば、2025年後半に追加された「Auto Browse」は、Gemini(Googleの生成AI)が複数のステップにわたる作業を自動で実行する機能です。ウェブ上での予約や情報収集など、複雑な作業を代行できます。

しかし、すべてのユーザーがAI機能を必要としているわけではありません。多くの人は、日常的な作業をもっと効率的にこなしたいと考えています。今回の3つの機能は、そうしたニーズに応えるものです。AI技術を使わず、シンプルで実用的な改善に焦点を当てています。

ブラウザの生産性向上は、多くの企業が注目する分野です。リモートワークの普及により、ブラウザで作業する時間が増えました。そのため、ブラウザ自体の機能向上が、仕事の効率に直結するようになっています。Googleは、こうした市場の変化に対応し、実用的な機能を継続的に追加しているのです。

できること・できないこと

タブ分割表示機能により、2つのウェブページを同時に見ながら作業できるようになります。例えば、オンライン会議の資料を見ながらメモを取る、レシピを見ながら買い物リストを作る、翻訳サイトを見ながら外国語の文章を読む、といった使い方が考えられます。画面サイズは自由に調整できるため、メインの作業と参照資料で表示サイズを変えることも可能です。

PDF自動バックアップ機能では、ダウンロードしたPDFが自動的にクラウドに保存されます。ファイルを探す手間が減り、どのデバイスからでもアクセスできるようになります。また、パソコンの故障や紛失時にも、データは安全に保管されています。

ブラウザ内PDF編集機能では、簡単な記入や署名がブラウザ上で完結します。ファイルをダウンロードして、専用ソフトを開く手間が不要になります。複数の書類に次々と記入する場合、作業時間が大幅に短縮されるでしょう。

一方で、いくつかの制約もあります。タブ分割表示は2つのタブまでしか同時表示できません。3つ以上のタブを同時に見たい場合は、従来通り複数のウィンドウを使う必要があります。また、横分割(上下に分ける)には対応していません。

PDF編集機能では、既存のテキストを変更することはできません。あくまで、新しい情報を追加する機能です。本格的な編集が必要な場合は、専用のPDF編集ソフトを使う必要があります。また、複雑なフォームや、特殊な形式のPDFでは、正しく動作しない可能性もあります。

PDF自動バックアップ機能を使うには、Google Driveのアカウントが必要です。また、Driveの容量を消費するため、無料プランの15GBを超える場合は、有料プランへの加入が必要になります。今後のアップデートで、これらの制約が改善される可能性はありますが、現時点では具体的な予定は発表されていません。

私たちへの影響

このニュースは、Chromeを日常的に使うすべての人に影響を与えます。特に、複数のタブを開いて作業する人、PDFファイルを頻繁に扱う人、リモートワークをしている人にとって、作業効率が向上するでしょう。

短期的な影響については、すぐに実感できる変化があります。タブ分割表示により、タブの切り替え回数が減り、作業の流れが途切れにくくなります。PDF自動バックアップにより、ファイルを探す時間が減り、どのデバイスからでもアクセスできるようになります。ブラウザ内PDF編集により、簡単な記入作業が数秒で完了するようになります。

中長期的な影響としては、ブラウザの役割がさらに拡大していくことが予測されます。これまで専用ソフトが必要だった作業が、ブラウザだけで完結するようになります。その結果、パソコンにインストールするソフトの数が減り、クラウドベースの作業環境が一般的になるでしょう。また、デバイス間の作業の連続性が向上し、場所を選ばない働き方がさらに進むと考えられます。

ただし、いくつかの注意点もあります。PDF自動バックアップ機能を使う場合、プライバシーに配慮する必要があります。機密性の高い書類は、自動バックアップの対象から除外する設定が必要かもしれません。また、Google Driveの容量管理も重要です。不要なファイルは定期的に削除し、容量を確保しておく必要があります。タブ分割表示については、画面サイズが小さいノートパソコンでは、かえって見づらくなる可能性もあります。自分の作業環境に合わせて、機能を使い分けることが大切です。

出典:Your Chrome browser just got a useful tab split-view mode – along with other upgrades(www.zdnet.com)

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