Google「Gemini」が月間7億5000万ユーザー突破、ChatGPTに迫る急成長

GoogleのAIチャットボット「Gemini」が月間アクティブユーザー7億5000万人を突破。前四半期から1億人増加し、ChatGPTに次ぐ規模に成長。低価格プランの導入でさらなる拡大を目指す。

Google「Gemini」が月間7億5000万ユーザー突破、ChatGPTに迫る急成長

Googleは2026年2月4日、同社のAIチャットボット「Gemini(ジェミニ)」の月間アクティブユーザー数が7億5000万人を超えたと発表しました。これは2025年第4四半期の決算発表で明らかにされたもので、前四半期の6億5000万人から約1億人増加したことになります。この数字は、Geminiが短期間で急速に利用者を増やし、AI分野で主要なサービスの一つとなったことを示しています。競合他社と比較すると、Meta AIが約5億人の月間ユーザーを報告している一方、最大のライバルであるChatGPTは2025年後半時点で約8億1000万人と推定されており、Geminiはこれに次ぐ規模に成長しました。この成長は、Googleが最新モデル「Gemini 3」を投入し、月額7.99ドルの低価格プラン「Google AI Plus」を導入するなど、積極的な戦略を展開した結果です。AI技術の普及が加速する中、Googleは無料プランと有料プランの両面でユーザー獲得を進めており、今後もこの勢いが続くと見られています。

Geminiの急速な成長と競合状況

Googleが発表した数字によると、Geminiの月間アクティブユーザー数は7億5000万人に達しました。月間アクティブユーザーとは、1か月の間に少なくとも1回サービスを利用した人の数のことです。前四半期の6億5000万人から3か月で1億人増加したことになり、1日あたり約110万人のペースで新規ユーザーが増えた計算になります。

競合サービスとの比較では、Meta(旧Facebook)が提供するMeta AIが約5億人の月間ユーザーを報告しています。一方、AI分野の先駆者であるOpenAIのChatGPTは、2025年後半時点で約8億1000万人の月間アクティブユーザーを持つと推定されており、依然として最大規模を維持しています。Geminiは現在、ChatGPTに次ぐ第2位の位置にあり、両者の差は約6000万人まで縮まっています。

この成長は、Googleが検索エンジンやAndroidスマートフォンなど、既存の広大なユーザー基盤を活用できる強みを反映しています。多くのユーザーがGoogleのサービスを日常的に使用しているため、Geminiへのアクセスが容易であることが、急速な普及につながっていると考えられます。

Gemini 3の投入と技術的進化

今回の成長を後押しした要因の一つが、最新モデル「Gemini 3」の投入です。Gemini 3は、Googleがこれまでに開発した中で最も高度なAIモデルとされており、より深く、より繊細な回答を提供できるとされています。深さと繊細さとは、単に質問に答えるだけでなく、文脈を理解し、複雑な問題に対して多角的な視点から詳細な説明を行う能力のことです。

GoogleのCEOであるサンダー・ピチャイ氏は、決算発表の中で「Gemini 3のAIモードでの導入は、当社の成長にとって前向きな推進力となった」と述べ、継続的な投資と改良がこの勢いを維持すると強調しました。実際、Googleの自社開発モデルは現在、顧客による直接的なAPI利用を通じて、1分間に100億トークン以上を処理しています。トークンとは、AIが文章を理解し生成する際の最小単位のことで、おおよそ単語の一部から1単語程度に相当します。1分間に100億トークンという数字は、非常に大量のAI処理が行われていることを示しています。

技術面では、GoogleはNvidiaと競合する最新世代のTPU(Tensor Processing Unit)AIアクセラレーターチップ「Ironwood」を導入しました。TPUとは、AI計算に特化した専用プロセッサのことで、通常のコンピュータチップよりも効率的にAI処理を実行できます。この技術投資により、Googleは大規模なAIサービスを安定的に提供できる基盤を強化しています。

低価格プランの導入と収益戦略

Googleは最近、月額7.99ドル(約1200円)の「Google AI Plus」という低価格プランを導入しました。これは既存の有料プランよりも手頃な価格設定で、予算を気にする消費者層にアピールすることを目的としています。ただし、このプランは発表されたばかりで、今回の四半期の数字には影響していません。今後の四半期でこのプランがどれだけユーザー増加に寄与するかが注目されます。

Googleの最高ビジネス責任者であるフィリップ・シンドラー氏は、投資家向けの説明会で「私たちは無料プランと有料プランの両方に注力しており、素晴らしい成長を見ています」と述べました。この戦略は、幅広いユーザー層を取り込むことを意図しています。無料プランで多くのユーザーを獲得し、その中から一部を有料プランに誘導するというモデルは、多くのデジタルサービスで採用されている手法です。

Googleの親会社であるAlphabetは、今四半期で初めて年間収益が4000億ドル(約60兆円)を超えました。この達成には、AI部門の拡大が大きく貢献しており、需要の増加が続いています。ピチャイ氏は「検索はこれまで以上に利用され、AIが拡大の瞬間を推進し続けている」と述べ、AIがGoogleの中核事業である検索サービスにも好影響を与えていることを強調しました。

できること・できないこと

Geminiを使うことで、ユーザーは日常的な質問への回答、文章の作成、プログラミングコードの生成、画像の説明、複雑な問題の分析など、幅広いタスクを実行できます。例えば、旅行の計画を立てる際に目的地の情報を調べて旅程を提案してもらったり、ビジネス文書の下書きを作成してもらったり、データを分析して傾向を説明してもらったりすることが可能です。最新のGemini 3では、より深い文脈理解と繊細な表現が可能になり、専門的な内容についても詳細な説明を得られるようになりました。

一方で、Geminiにも限界があります。AIが生成する情報は必ずしも正確とは限らず、特に最新の出来事や専門的な事実については誤った情報を提供する可能性があります。また、創造的なタスクにおいては、人間のような独創性や感情的な深みを完全に再現することは難しい状況です。リアルタイムの情報更新にも制約があり、学習データの範囲外の情報については対応できません。Googleは継続的な改良を進めており、今後数か月から数年の間に、これらの制約は徐々に改善されていくと予想されます。

私たちへの影響

このニュースは、AIツールを日常的に使用する個人ユーザーやビジネスユーザーに大きな影響を与えます。Geminiのユーザー数増加は、AI技術がより身近で一般的なツールになりつつあることを示しており、今後さらに多くの人がAIを活用した作業効率化や情報収集を行うようになるでしょう。

短期的な影響については、低価格プランの導入により、これまで有料プランに躊躇していた人々がAIサービスを試しやすくなります。月額約1200円という価格設定は、多くの人にとって手の届く範囲であり、AI活用の裾野が広がることが期待されます。また、GoogleとChatGPTの競争が激化することで、両社がより良いサービスを提供しようと機能改善を加速させる可能性があります。

中長期的な影響としては、AI技術が教育、医療、ビジネス、クリエイティブ分野など、さまざまな領域でさらに深く浸透していくことが考えられます。Googleのような大手企業がAIインフラに大規模投資を続けることで、技術の進化速度が加速し、より高度で実用的なAIツールが登場するでしょう。これにより、私たちの働き方や学び方、情報との関わり方が根本的に変化する可能性があります。

ただし、AI技術の急速な普及には注意点もあります。情報の正確性を常に確認する習慣を持つこと、AIに過度に依存せず批判的思考を維持すること、プライバシーやデータセキュリティに配慮することが重要です。また、AI技術の発展が雇用や社会構造に与える影響についても、継続的な議論と対応が必要となるでしょう。

出典:Google’s Gemini app has surpassed 750M monthly active users(techcrunch.com)

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