OpenAIが2026年1月19日、ChatGPT Translateを静かに公開。Google翻訳に似た無料の翻訳ツールで、28言語に対応し、翻訳後にChatGPTで文章を編集できる点が特徴。ただし現時点ではテキストのみ対応で、音声や画像翻訳は未対応。
OpenAIが「ChatGPT Translate」公開、翻訳後にAIで文章編集可能な新ツール
OpenAIは2026年1月19日、新しい翻訳ツール「ChatGPT Translate」を公開しました。このツールは、Google翻訳のようなシンプルな翻訳機能に加えて、翻訳結果をChatGPTで編集できる点が大きな特徴です。翻訳した文章の口調を変えたり、ビジネス向けに書き直したり、子ども向けに簡単にしたりといった調整が、ワンクリックで可能になります。OpenAIのCEOサム・アルトマン氏による発表もなく、静かに公開されたこのツールは、無料で利用でき、28以上の言語に対応しています。ただし、現時点ではテキスト翻訳のみに対応しており、音声入力や画像翻訳、文書翻訳といった機能はまだ搭載されていません。翻訳ツールを使う機会が多い人にとって、翻訳後の編集作業を効率化できる新しい選択肢となりそうです。
ChatGPT Translateの主な機能と使い方
ChatGPT Translateは、専用のウェブページ(https://chatgpt.com/translate/)で利用できます。使い方は非常にシンプルです。左側のテキストボックスに翻訳したい文章を入力すると、右側に翻訳結果が自動的に表示されます。言語は自動検出されますが、手動で選択することも可能です。翻訳結果を聞くためのスピーカーアイコンも用意されています。
このツールの最大の特徴は、翻訳結果の下に表示される編集オプションです。「より流暢に」「ビジネス向けに」「子ども向けに簡単に」「学術的に」といった選択肢がワンクリックで選べます。これらのオプションを選ぶと、ChatGPTの画面に移動し、選んだ条件に合わせて文章が書き直されます。そこからさらに編集を続けたり、追加の質問をしたりすることもできます。
利用には無料のChatGPTアカウントで十分ですが、ログインすることでChatGPTとの連携機能がフルに使えるようになります。有料プランの加入者は、より高速なモデルへのアクセスや使用制限の緩和といった間接的なメリットを受けられると考えられます。
背景と経緯
OpenAIはこれまでも、ChatGPT本体で翻訳機能を提供してきました。しかし、ChatGPTは会話型のAIであるため、翻訳を依頼すると余計な説明が付いてきたり、回答が長くなりすぎたりすることがありました。単純に「この文章を英語に訳してほしい」という場合には、やや使いにくい面があったのです。
今回公開されたChatGPT Translateは、こうした問題を解決するために作られたと考えられます。翻訳だけが必要な場合はシンプルに結果を得られ、さらに編集が必要な場合はChatGPTの力を借りられる、という二段構えの設計になっています。Google翻訳を意識した作りになっているのは明らかで、翻訳ツール市場への本格参入を示すものと言えるでしょう。
ただし、大々的な発表がなかったことから、OpenAIはこのツールをまだ実験段階と位置づけている可能性があります。ユーザーの反応を見ながら、機能を拡充していく方針かもしれません。
技術的な詳細と仕組み
ChatGPT Translateは、OpenAIの大規模言語モデル(LLMとは、大量のテキストデータを学習したAIのことです)を使って翻訳を行います。従来の翻訳ツールの多くは、単語や文法のルールに基づいて機械的に翻訳していましたが、ChatGPT Translateは文脈や意味を理解した上で翻訳を生成します。
具体的には、入力されたテキストをAIが分析し、その意味や文脈を把握します。次に、目的の言語で同じ意味を表現する最適な文章を生成します。この過程で、単なる単語の置き換えではなく、自然な表現になるよう調整されます。例えば、英語の「Can I have directions to the nearest bus station?」をスペイン語に訳す場合、直訳ではなく、スペイン語として自然な言い回しが選ばれます。
翻訳後の編集機能は、ChatGPTの指示理解能力を活用しています。「ビジネス向けに」というオプションを選ぶと、「この翻訳をビジネスフォーマルな口調に書き直してください」という指示がChatGPTに自動的に送られ、その結果が表示される仕組みです。ユーザーは複雑な指示を書く必要がなく、ワンクリックで目的の結果を得られます。
できること・できないこと
ChatGPT Translateでできることは、現時点ではテキストの翻訳と、翻訳結果の口調や表現の調整です。例えば、ビジネスメールを外国語に翻訳してからフォーマルな表現に整えたり、学習用の文章を子ども向けに簡単な言葉に書き直したりといった使い方ができます。翻訳結果をコピーしてそのまま使うこともできますし、ChatGPTに移動してさらに編集を続けることも可能です。
一方で、まだできないこともあります。音声入力には対応していないため、話した言葉をその場で翻訳することはできません。また、画像に写っている文字を翻訳したり、PDF文書をアップロードして翻訳したり、ウェブサイト全体を翻訳したりする機能もありません。対応言語も28言語程度で、Google翻訳の200以上と比べると少ない状況です。リアルタイムの会話翻訳機能もまだ搭載されていません。これらの機能は、今後のアップデートで追加される可能性がありますが、現時点では未定です。
私たちへの影響
このニュースは、仕事や学習で翻訳ツールを使う人に影響を与えます。特に、翻訳した文章をさらに編集する必要がある人にとっては、作業効率が上がる可能性があります。例えば、海外の取引先にメールを送る際、まず翻訳してからビジネス向けの表現に整える、という作業が一つのツール内で完結します。
短期的な影響については、Google翻訳との使い分けが進むでしょう。シンプルな翻訳だけならGoogle翻訳、翻訳後の編集や文章の調整が必要ならChatGPT Translate、という選択になりそうです。中長期的な影響としては、OpenAIが音声や画像翻訳機能を追加すれば、翻訳ツール市場での競争が激しくなることが予測されます。翻訳の精度や使いやすさが向上し、利用者にとっては選択肢が増えることになります。
ただし、現時点では機能が限定的であることに注意が必要です。旅行先での会話翻訳や、写真に写った看板の翻訳といった用途には、まだGoogle翻訳のほうが適しています。また、翻訳の正確性については、重要な文書の場合は専門家による確認が依然として必要です。AIによる翻訳は便利ですが、完璧ではないことを理解した上で使うことが大切です。
